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設立趣旨

 日本人類学会は,非営利の学術団体としては,日本国内の最古の学会に近く,昨年(2009)創立125年を迎えました。世界レベルで見ても,1859年のパリ人類学会に遅れること25年,ロンドンの人類学会誕生から21年後の設立という伝統をもっています。この時期は,ヨーロッパと米国を中心とした学会創設黎明にあたります。

 とても古くから存在し,学会としての根本的希求テーマ「人類の進化・変異」「日本人の起源」などが,名称としては世の中一般によく知られているにもかかわらず,実際の研究活動,現在の最新情報などは,マスコミが興味本位で取り上げる以外は,いわゆる一般の方々へは伝わっていませんでした。若い世代の理科離れ,ゆとり教育,実学中心主義に押されて,過去10年間で,学会の構成年齢がかなり上昇し,学会員そのものの実数も減少しつつあります。

 このような,人類学および人類学会の将来的危機を危ぶみ,また,一般教養としての「人類学」をより的確に,かつ最新のものとして紹介できるような場所,機会を作るためのプロジェクトチームが,「人類学教育普及委員会」です。2007年秋に,日本人類学会の小委員会として発足し,昨年より「教育普及委員会」と改称しました。現在,20名以上の現役学会員によって構成・運営されています。少しでも多くの皆さんに「人類学」に興味をもち,積極的に研究,または研究協力をしていただけるよう,日々研鑽努力をつづけています。
(文責:高山)