研究概要

新学術領域研究 (研究領域提案型) 『稲作と中国文明 -総合稲作文明学の新構築-』

計画研究A05 : 研究代表者:米田穣

高精度年代測定
および稲作農耕文化の食生活・健康への影響評価

稲作の開始がヒトに与えた影響を自然人類学と考古科学の手法で明らかにします!

本研究では水稲利用の復元を目的として以下の分析を実施します。
①古人骨の化学分析(タンパク質の炭素・窒素同位体分析、アミノ酸の窒素同位体分析)炭素窒素同位体比②人骨の形態学的分析による古人口復元と健康評価(口腔病理・エナメル質減形成・四肢病変)
頭蓋計測結果③歯石の残存デンプン粒分析

④炭化米・土器付着炭化物の化学分析(窒素・酸素・ストロンチウム同位体分析、脂質分析)

古人骨の分析は、個人の生活に係わる情報を抽出することができるので、集団における個人差に着目して社会の複雑化と稲作文明の発展について検証することが可能です。また、本研究で新たに分析手法を開発する炭化米の化学分析は、米の栽培範囲やその社会的役割の時代変遷を明らかにできると期待されます。

さらに、本研究では微量分析が可能な加速器質量分析(AMS)を活用して、遺跡から出土した木炭などに加え、人骨資料でも系統的に放射性炭素年代測定を行い、出土コンテキストに基づくベイズ解析を実施して、環境変動と社会や生業の変化について検証する計画です.