東京大学大学院新領域創成科学研究科
「人類進化学」
2010/11/16-11/17(集中講義)
授業計画
2010/11/16
2010/11/17
採点:出席とレポートで行う(レポートの提出で公用による欠席1回分の代替とする)。
現在の日本の教育課程では、ヒトに関わる生物学や人類の進化について殆ど学習するチャンスがない。しかし、最も身近な生物種であるヒトという存在は、生物学に関心を抱くきっかけとしても、進化を理解する上でも貴重な教材になる。
2007年の日本人類学会大会で開催された「小・中・高校における人類学教育」というシンポジウムの要旨を読んで(Anthropological Science (Japanese Series) 115,
41-60)、これから小中高校の生物学の授業に人類学的知識を活用するためには、どうすれば良いのかを考えください。そして、90分程度(45分2回)のオリジナルの模擬授業の内容を提案して下さい。
以下の内容を明記すること:
(1)人類学を取り入れると有効だと考える教育課程(小中高のどの過程を対象とするか)
(2)その課程の生物学教育における問題点
(3)その問題を改善するために、どのような人類学的知見を活用できるか
(4)どのようなテキストや教材を使用するか、またその意図や工夫。
(5)それによってどのような教育効果が期待されるか
以上を、A4で2-3枚程度にまとめて下さい。
シンポジウム要旨にいくつか実例が含まれますが、それと同様のアイデアは認めません。
【締切:11/24 12:00JST】
【参考文献】
渡辺直経・香原志勢・山口敏編
(2001) 「人類学の読み方」 雄山閣
片山一道ほか
(1996). 「人間史をたどる 自然人類学入門」朝倉書店
長谷川寿一・長谷川真理子
(2000) 「進化と人間行動」 東京大学出版
松沢哲郎・長谷川寿一編
(2000)「心の進化 人間性の起源をもとめて」
人類進化
斎藤成也編
(2009)「絵でわかる人類の進化」講談社
斎藤成也ほか
(2006) 「シリーズ進化5 ヒトの進化」
ロジャー・ルーウィン
(2002)「ここまでわかった人類の起源と進化」てらぺいあ
馬場悠男編 (2005) 「別冊日経サイエンス 人間性の進化−700万年の奇跡をたどる」 日本経済新聞出版局
海部陽介(2005)「人類がたどってきた道 −”文化の多様化”の起源を探る」NKHブックス
赤澤威編 (2005)「ネアンデルタール人の正体 彼らの悩みに迫る」朝日選書
日本人の起源
中橋孝博 (2005)「日本人の起源 古人骨からルーツを探る」講談社選書メチエ
篠田謙一 (2007)「日本人のなった祖先たち DNAから解明するその多元的構造」NHKブックス
山口敏 (1999)「日本人の生い立ち 自然人類学の視点から」みすず書房
佐原真 (1992)「大系日本の歴史1 日本人誕生」小学館ライブラリー
佐々木高明 「集英社版
日本の歴史1 日本史誕生」集英社
進化論
カール・ジンマー
(2004)「進化大全 ダーウィン思想:史上最大の科学革命」光文社
田中一規 (2005) 「マンガ 種の起源 ダーウィンの進化論」
講談社
長谷川真理子 (1999)「進化とはなんだろうか」 岩波ジュニア新書
木村資生 (1988) 「生物進化を考える」 岩波新書
エドワード・O・ウィルソン (1997)「人間の本性について」ちくま学芸文庫
佐倉統
(2003)「進化論の挑戦」角川ソフィア文庫(1997角川選書)
佐倉統 (2002) 「進化論という考え方」講談社現代新書
米本昌平ら (2000)「優生学と人間社会」講談社現代新書
三中信宏 (2006)「系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに」講談社現代新書
先史人類学の考え方
西田正規
(2007)「人類史のなかの定住革命」講談社学術文庫
スティーヴン・ミズン
(1998)「心の先史時代」青土社
ピーター・ベルウッド
(2008)「農耕起源の人類史」京都大学学術出版会
ジャレド・ダイアモンド(2000)「銃・鉄・病原菌」 草思社