2014年度シンポジウム「一歩進んだ遺跡出土動物骨の分析から人類史を読み解く」
- 日時:2014年11月3日(祝・月)9:10-11:10
- 会場:アクトシティ浜松コングレスセンター4階41会議室(A会場)
- 開催趣旨
オーガナイザー:江田真毅(北海道大)・米田穣(東京大)
遺跡から出土した動物骨の分析は、人類の生業、食性、居住環境等の地域性や経時変化の解明に利用されてきた。出土分類群の種名表提示による利用された動物リストの解明から始まった動物骨の研究は、その後急速に進歩している。地球科学や統計学、分子生物学、組織学等の異分野で発展した最新の分析手法を取り入れた動物骨の分析は、人類史を読む解く貴重な情報をもたらすことができる。それらの情報には、人骨や人工遺物の分析からは得られないものも多数含まれる。
本シンポジウムでは、新しい分析手法による遺跡出土動物骨の研究に取り組んでいる6名の研究者が発表する。発表内容は、洗練された統計手法を用いた安定同位体比分析の解釈法、アミノ酸レベルでの安定同位体比分析、コラーゲンタンパクによる種同定、DNAあるいはタンパク質に着目した大規模な出土動物骨の分析、ミクロ形態学的分析による種同定と多岐にわたる。発表者には、自身の研究の紹介に留まらず、従来の方法と比べて新しい手法では何が分かるのか、分析に必要なコストや機器、資料の破壊はどの程度か等を講演いただき、会場も交えて今後どのような応用が望めるのかを議論する予定である。
- プログラム
- 趣旨説明
- 江田真毅(北海道大学・総合博物館)
- ベイズ法を用いた安定同位体比分析の解釈
- 蔦谷 匠(東京大学・学振)
- アミノ酸レベルでの安定同位体比分析からみた西アジアの新石器時代の家畜
- 板橋悠(東京大学/学振)
- コラーゲンタンパクによる遺跡出土動物骨の種同定
- 江田真毅(北海道大学)
- 動物遺存体における古代プロテオミクス解析の現状と展望
- 澤藤りかい・植田信太郎(東京大学)
- 次世代シークエンサーを用いた動物骨の分析
- 覚張隆史(北里大学)
- 骨のミクロ形態学的分析による種同定
- 澤田純明(聖マリアンナ医科大学)