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2012年度シンポジウム

2012年度シンポジウム「列島への家畜導入と人類史−動物考古学の現状と展望−」

  • 日時:11月2 日16:50-19:20
  • 会場:慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎(地図)
  • オーガナイザー:鵜澤和宏(東亜大学)、本郷一美(総合研究大学院大学)

動物遺存体の研究は日本列島における人類集団の生業、食性、居住環境等について、その
変遷過程と地域性を明らかにしてきた。出土分類群の種名表提示から始まった研究は、近
年では分子生物学的手法、地球科学的手法の導入により、人類学との関連においても新し
いステージに入っている。すなわち、生業の復元に代表される特定の時代、地域における
過去の人類行動の推定から、動物との関わりを通じて復元される人類集団の適応史の構築
に研究テーマの広がりをみせている。
本シンポジウムでは、ブタ、ウマ、家禽など、日本列島の動物相に存在しなかった家畜
が、いつどのように導入され拡散したのか、またそれにより列島各地における社会はどの
ように変化したかについて、研究の現状を整理する。
家畜の導入と拡散は、人類集団の移動、拡散あるいは文化伝播の問題と直結する。日本列
島における人類集団、社会、生業基盤の重層性、地域性を議論するうえで格好の人類学的
なテーマである。様々な分析手法を横断して研究成果を集積し、動物との関わりから見た
人類史構築の現状を概観する。

 プログラム

  • 16:50-16:55 はじめに
    • 本郷一美 
講演
  • 16:55-17:10 臼歯形状解析による遺跡出土馬の系統分類
    • 植月 学(山梨県博)・津村宏臣(同志社大・文化情報学部)
  • 17:10-17:25 日本列島におけるイノシシの家畜化について・骨形態学的アプローチ
    • 姉崎智子(群馬県立自然史博)、本郷一美(総研大・先導研)
  • 17:25-17:40先史時代 琉球列島へのイノシシ・家畜ブタ導入: 遺跡・現生Sus 属資料のDNA解析を中心に
    • 高橋遼平(総研大・先導研/学振DC2)、佐藤孝雄(慶應大・文学部)、松井章(奈文研)、姉崎智子(群馬県立自然史博)、石黒直隆(岐阜大・応用生物)、本郷一美(総研大・先導研)
  • 17:40-17:55 古DNA分析で探る日本在来犬と日本のオオカミの遺伝的関係
    • 石黒直隆(岐阜大・応用生物)
  • 17:55-18:10 列島へのニワトリの導入とその意図に関する一考察
    • 江田真毅(北大・博物館)
  • 18:10-18:25 安定同位体分析による動物の移入の検証
    • 石丸恵利子(熊大・埋文センター)

コメントと総合討論
  • 18:30-18:50 近年の動物考古学研究の新たな枠組み
    • 松井 章(奈文研)
  • 18:50-19:10 日本列島における家畜史研究の現状と課題
    • 西本豊弘(歴博・考古)

分科会総会 19:10-