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設立趣旨

骨考古学研究会設立趣意書

 設立の趣旨

   考古遺跡から出土する古人骨ならびに動物骨資料は、先史・古代人の身体的特徴、生活活動、健康状態、疫学的特徴、人口状況、宗教的観念などに関わる有力な諸情報を提供してくれる、きわめて重要な古文化財といえよう。しかるに日本の考古学の性格ゆえに、石器、土器、金属器などの遺物や各種の遺構に比べるとき、ややもすると等閑に付される傾向が強かった。おそらく現在でもなお、骨資料が古文化財であるとの認識は、一般には十分に浸透していないのではなかろうか。
   そんな状況ながらも、古人骨の研究は、ことに自然人類学や解剖学の研究者を中心にして着実に進展しており、医学関係の研究者や考古学関係の研究者と連携した学際的な共同研究もようやく実質的なものとなりつつある。そしてアメリカやイギリスなど諸外国で行われている研究レベルに近づきつつあるといえよう。動物遺存体の研究者もまた、めざましい研究成果を次々に達成できる段階に達してきた。ところが残念ながら、いぜんとして、これらの研究者が一同に介してお互いの研究成果を検討しあったり、意見交換をしたり、十分な連絡を取り合うような機会は限られたままである。また次代の研究者を育成する体制にも、薄ら寒いものを感じざるを得ないのが現状ではあるまいか。
   かかる現状を勘案して、人類学会の会員以外からも広く会員を募り、会員相互の情報交換をはかりつつ、多方面の研究者の間の共同研究を活発にすることを図るとともに、骨考古学の研究活動をアクティブで高度なものにすることをめざすのが、本研究会の設立を提案する趣旨である。

活動計画

  1. ニュースレターの発行(年1回程度)
  2. 研究大会の開催(年1回)
  3. 各種の研究会、シンポジウムの開催(随時)
  4. 遺跡や資料の見学会(随時)
  5. 国内外の情報交換など

発起人代表

片山一道(京都大学霊長類研究所(当時))
百々幸雄(東北大学医学部)

発起人

石田肇、井上康二、小田静夫、海部陽介、茂原信生、鈴木隆夫、竹内修二、土肥直美、中橋孝博、西本豊弘、M.ハドソン、馬場悠男、平田和明、平田泰紀、福田眞輔、本郷一美、松井章、松浦秀治、溝口優司、毛利俊雄、米田穣